ココで働きたい!山陰をリードする企業集結 鳥取・島根のリーディング企業2021に今井産業が掲載されました。
“住”を通じて感動を生み、地域を支え、未来を創る
一見、同じようなビルや道路に見えても、全く同じものは一つとしてない。
地形や地質、街並みや気象条件など現場を取り巻く条件は工事ごとに異なり、使う工法や材料、道具も変わってくるからだ。
「世界で唯一のものを造れる。それが建設業の醍醐味です」。
総合建設メーカー《今井産業株式会社》の今井久師社長(57)の言葉は、誇りと使命感にあふれている。
初代が1928年、山を購入する蓄財のために金物店を創業。その後、製材業と建設業を二本柱に成長し続けた。
しかし72年、記録的な江の川大水害で、本社社屋と製材工場が被災。会社存続が危ぶまれる中、郷土復興への思いを胸に、土木建設業を柱にした事業を展開し始める。
被災の苦しみを実感しているゆえ、復興への想いもより強い。
「安心して住みよい地域を作るのが我々の仕事。しかし災害発生時には、寝食を忘れ、全力挙げて復興に力を注ぐ。
暮らしになくてはならない“住”を通じて、地域を支える仕事です」。
東京からの移動時間距離が全国で最も遠く、都市部への人口流出も進む江津市。
そんな不利な条件下を逆手に取って、同社は早くから東京や広島へも進出し、年間売り上げは150億円を超える。
鍵を握るのが、挑戦心と先見性、そして地域への想いだ。
「地域を守るためにも会社の発展と、人材確保は欠かせない」と今井社長。
守るために攻めるのだ。紹介から始まった都市部での仕事は、実績を重ねて、信頼を獲得。高層マンションや総合病院など数々の大規模建設を手掛けている。
当初所長含め2人しかいなかった東京・広島支店は現在人以上の大所帯となった。新入社員の確保に力を注ぐ中、今秋には初めて、ベトナムからの高度人材2人を採用。公共・民間の仕事を休みなく請け負い、地域の土台作りを担う同社にとって、同じ志を持つ仲間を増やすことは、非常に重要なのだ。社として一貫した教育体制や人材交流に力を入れ、九州や関西へのエリア拡大も狙っている。
地元では、江津市新庁舎建設(3社JV)や、山陰自動車道整備などの大規模プロジェクトを複数展開。
今夏再度見舞われた江の川水害の復旧工事も急ピッチで進めている。
地域を元気にする取り組みは、本業だけではない。
今秋には、日本初の市街地レースとして注目を集めた《A1市街地グランプリGOTSU2020》の成功を牽引。
年のパリパラリンピック出場を目指す川本健太選手(卓球)や、浜田市を本拠地とするサッカーチーム《ベルガロッソ浜田》のメインスポンサーも務める。
石見神楽が盛んな地域柄、伝統芸能を担う社員らのサポートも惜しまない。
炎天下で真っ黒になって働く社員らを「うちの宝」と自慢する今井社長。
働きやすい仕組みを作るのは経営者の使命として、ICT活用で省力化や、現場の安全強化を進めると共に、社宅整備など社員の環境向上も積極的に行っている。
現場所長として責任を担える仕事から、十数人のスタッフで創り上げる大規模プロジェクトまで様々な仕事を経験できるのが弊社の特色。
企画設計からアフターケアまで一貫して地域を守り、よりよくする。未来に残せるものを重ねていける仕事です」。
目に見える建物や道路だけでなく、感動を生み、自ら感動を感じられる―それが、今井産業の担う建設業の最大の魅力なのかもしれない。